somatic marker hypothesis
ソマティックマーカー仮説
感情や情動が意思決定に及ぼす影響を初めて理論化した感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon 感情には意思決定を正確にする、効率化する働きがあるとする
過去の経験から、個々の選択肢が報酬・罰に関わる感情的なラベルをつけて記憶され、それによって意思決定する時に選択肢が無意識的に評価され、その後の推論・選択プロセスにバイアスを与える感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon 悪い結果が頭に浮かぶと、いかにかすかであれ、ある不快な「直感」(gut feeling)を経験する生存する脳: 心と脳と身体の神秘.icon ネガティブなsomatic markerは警報として、ポジティブなsomatic markerは動機づけとして働く この仮説は大きな反響を呼んだが,反証や批判も多く,現在ではこの仮説の元来の主張を越えて,それを拡大発展させるような研究が展開しつつある 感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon
逆に、注意やworking memoryがないとsomatic markerが作用する場がない
その情動に注意が向けられず、意識に上らないこともある
その場合でも、無意識下で意思決定にバイアスをかけている
論理的な推論メカニズムのない動物では、somatic markerに従って意思決定している?
脳が意識や推論能力を授けないような有機体では、この密かなメカニズムが意思決定器官の中枢であることは明らかである。 1
連合学習が可能ならできる?
「感情が合理的な判断を阻害させる」という考え方は誤りで、「むしろ感情は合理的判断の助けになる」という考え方?imo.icon そうだと思うyosider.icon
しかし、感情を持たないからといって、一分の隙もない論理的な人間になったわけではなく、むしろ決断を下せなくなってしまったのだ。
どの選択肢にもピンとくるものがない、みたいな感じ?yosider.icon somatic markerの発達
1次の情動生存する脳: 心と脳と身体の神秘.icon 大きさ、広がり、動き方、音、苦痛などの特定の特徴量に対する生得的な情動反応 特徴の元が何かということまでは知る必要はない
2次の情動生存する脳: 心と脳と身体の神秘.icon ある状況と、その状況でもたらされた情動とが連合されて表象が作られることで、その状況に遭遇したときに予測的に感じられるようになる情動
初めは1次の情動とそれをもたらす状況が連合され、次にその状況を想起させる別の新たな状況がその情動と連合され、...というように、次々と複雑な状況が情動と連合される
1次の情動に対して、その情動の原因を理解することで、特定の特徴量によらずに予測的に状況を評価できるようになる
生得的に知っている刺激に対する直接の情動ではなく、後天的に学習した状況に対する情動yosider.icon
情動・感情を感じるのに、状況や刺激の意味を理解する必要がある?yosider.icon
日本語で面白いギャグを言っても、日本語がわからない人には特に情動を引き起こさない、とか(極端な例かも)
内的な選好と、外的な環境(社会的慣習や倫理、それを体現する養育者なども含む)のもとで、状況と情動が後天的に結び付けられていく 神経基盤
https://gyazo.com/3d674bd162290362159a25dce2bda181
from 感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon
vmPFCは、文脈や状況などの情報を符号化し、それに応じて扁桃体の活動を修飾する感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon
扁桃体は、過去の経験から選択肢に関連する報酬や罰などの感情的意味を検出する感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon 辺縁系→身体→体性感覚系生存する脳: 心と脳と身体の神秘.icon
情動的反応によって身体が生存のための運動をしやすくなる
これらはvmPFCを始めとする前頭領域に密に投射していて、意思決定にバイアスをかける感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon
辺縁系、脳幹、前脳基底→皮質生存する脳: 心と脳と身体の神秘.icon
皮質の活動にバイアスをかける働き?
ノルアドレナリンなら活動upとか?
皮質下だけでなく、皮質にも情動が作用する
身体状態そのものへの依存から徐々に脱し、身体状態の脳内表象で代用するようになる
脳は身体状態についての内部モデルをもっていて、起こるべき身体反応を実際の反応よりも早くシミュレートする?感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon 情動の末梢起源説に対する「脊髄損傷などにより身体から脳への信号経路が断たれた患者にも感情は生じる」という批判The James-Lange Theory of Emotions: A Critical Examination and an Alternative Theory.iconを回避するもの?感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon 「身体的反応のうち最も潜時が短い自律神経系反応でも数~十数秒かかり、即時的な意思決定に影響するには遅すぎる」という批判The anatomical and functional relationship between the P3 and autonomic components of the orienting response.iconを回避するもの?感情的意思決定を支える脳と身体の機能的関連.icon
vmPFC損傷症例では、somatic markerの喪失によって、情動が選択肢を評価してくれなくなり、意思決定が出来ない? 体性感覚皮質の損傷によって、オンラインに更新される身体感覚がなくなり、(vmPFCに保持されている?)オフラインの正常な身体イメージしか感じられなくなり、病徴を自覚できない?
身体状態が正常なので、情動も生まれない?
単に体性感覚皮質からの入力がないために、vmPFCの2次の情動が惹起されなくて、情動が消えるとは考えられない?yosider.icon